吃音について

HOMEウォルトのことば相談室吃音について

ことばが詰まるとき、知ってほしいこと。

お子さんの吃音(きつおん)が気になったら。
「吃音ってなに?」から、おうちでの関わり方、
専門的なサポートまで。
あわてず、せかさず、まずは知ることから始めましょう。

吃音(きつおん)とは

吃音は、話したい気持ちはあるのに、ことばがなめらかに出てこない状態をいいます。本人の努力不足でも、育て方のせいでもありません。

20人に1人が
発症します
幼児期にはこれくらいの割合で見られる、めずらしくないものです。多くは2〜5歳ごろに始まり、成長とともに自然におさまっていくお子さんも少なくありません。

主に3つのタイプがあります

連発(れんぱつ)

同じ音や言葉を、繰り返してしまうタイプの吃音です。

「か、か、かえる」
「ぼ、ぼ、ぼくは…」
特徴
  • 音や言葉の一部を繰り返す
  • 比較的気付かれやすい
伸発(しんぱつ)

音を引き延ばしてしまうタイプの吃音です。

「かーーーーえる」
「ぼーーーーくは…」
特徴
  • 音を引き伸ばす
  • 声が出続ける
難発(なんぱつ)

音が出そうで出せない、出しにくいタイプの吃音です。

「(……)かえる」
「(……)ぼくは…」
特徴
  • 音が出せない
  • 緊張や不安の強い時に起こりやすい

気になる吃音の症状

お子さんの話し方で「あれ?」と感じることはありませんか。ふだんの会話のなかで、こんな様子がないか見てみてください。

ことばの出方

  • 「ぼ、ぼ、ぼくね」のように、最初の音をくり返すことがある
  • 「ぼーーくね」のように、最初の音を長くのばすことがある
  • 言いたいことがあるのに、最初の音がなかなか出てこない
  • 話そうとして、声や息がつまっているように見える
  • 口は動いているのに、音が出ない瞬間がある

話すときの様子

  • 話すときに、目をぎゅっとつぶる・顔に力が入る
  • 体や手足を動かしたり、足を踏みならしたりする
  • 言いにくい言葉を、別の言い方にかえることがある
  • 「えーと」「あのね」を何度もはさんでから話し出す
  • 発表や音読、電話など、特定の場面を避けたがる

気持ち・状況による変化

  • 「うまく言えない」と気にしている様子がある
  • 話すことに自信がなさそうに見える
  • 日や場面によって、出やすい・出にくいの波がある
  • 歌うときや一人で本を読むときは、わりとスムーズ

お子さんの様子に気づくための目安です。診断をするものではありません。
いくつか当てはまっても、すぐに「吃音(きつおん)」と決まるわけではありません。子どものことばの育ちには個人差があり、一時的なくり返しは成長の過程でよく見られるものです。自然におさまっていくことも少なくありません。

つい、やってしまいがち。でも避けたいこと

よかれと思っての声かけが、かえってお子さんの負担になることがあります。
次のような関わりは、できるだけ控えてあげてください。

「もう一回言ってみて」と言い直させる

うまく言えたか試されているように感じ、「話すこと」自体がこわくなってしまいます。

「ゆっくり」「落ち着いて」と話し方を指示する

本人はすでに一生懸命です。注意されると、よけいに力が入ってしまいます。

先回りして言葉を言ってあげる・さえぎる

続きを言ってしまうと、最後まで話す経験が積めず、「待ってもらえない」と感じてしまいます。

「どうして詰まるの?」と原因を問いただす

本人にも理由はわかりません。問われること自体がプレッシャーになります。

急かす・せかす、人前で無理に話させる

時間に追われる場面や注目される場面は、症状が出やすくなります。

心配そうな顔を見せる・からかいを放置する

大人の不安は子どもに伝わります。周囲のからかいは、その場でやさしく止めてあげてください。

お家でできる 安心して話せる土台づくり

特別なトレーニングよりも、「安心して話せる環境」をつくることが、いちばんの支えになります。

大人がゆっくり、ゆったり話す

「ゆっくり話して」と言う代わりに、まわりの大人がゆったり話してみて。お手本があると、自然と話しやすくなります。

最後まで、待つ

言葉が出てこないときも、目を見てうなずきながら待ちます。「待ってもらえる」という安心感が大切です。

「話し方」ではなく「話の中身」に耳を傾ける

「そうなんだ」「それでどうなったの?」と、伝えたい内容にこたえてあげてください。

質問を矢継ぎ早にしない

次々と聞かれると答えに追われてしまいます。問いかけは少なめに、ゆとりをもって。

一対一の、ゆったりした時間をつくる

短い時間でも、さえぎられずに安心して話せる時間があると、心が落ち着きます。

順番に話せる雰囲気をつくる

かぶせ気味に話す環境だと焦りやすくなります。「ひとりずつ話そうね」という空気を。

本人がふれてきたら、オープンに受け止める

「ときどき言葉が出にくいことってあるよね」と、隠さず、責めず、自然に受け止めて。

できていることを認める

話し方ではなく、「お話してくれてうれしいな」と、伝えようとした気持ちそのものを大事に。

ウォルトの吃音サポート

「おうちでの関わりだけでは心配」「専門家といっしょに進めたい」。そんなご家庭のために、ウォルトでは、お子さん一人ひとりの状態にあわせてサポートします。必要に応じて、世界的に効果が認められたリッカムプログラムもご案内できます。ウォルトには、このプログラムを実施できるトレーナー(言語聴覚士)が在籍しています。

リッカムプログラムとは

オーストラリアで開発された、就学前(およそ6歳まで)のお子さんを対象とする行動療法です。研究によって効果が実証されており、世界中で取り入れられています。ご家庭で、保護者の方がお子さんと取り組むのが特徴で、吃音の寛解(症状がおさまること)を目指します。

リッカムプログラムを行う場合の進め方

1

研修を受けた言語聴覚士(ST)が、ご家庭の状況に合わせてやり方を指導します。

2

おうちで1日約15分、絵本やカード、ゲームを使って、親子で楽しく会話の時間をもちます。

3

ほめることを中心に。スラスラ言えたらたくさんほめ、吃音が出たときだけ、叱らずやさしく伝えます。

4

毎日、お子さんの吃音の状態を記録。STが確認し、ご家庭に合わせてアドバイスします。

5

定期アセスメントで定期的専門評価を。お子様の状況に応じて、面談や練習の頻度を調整していきます。

大切なお約束

リッカムプログラムは、研修を受けた言語聴覚士の指導のもとでのみ行うものと定められています。ご家庭だけの自己流はおすすめできません。だからこそ、専門家とともに、安心して進めることが大切です。お子さんの様子が気になったら、できるだけ早め(幼児期)のご相談をおすすめします。

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